2014年1月1日

【和訳】Many Happy Returns / The blog of Dr.John H. Watson

英BBCドラマ『SHERLOCK』のジョン・ワトソンブログ記事の訳です。
クリスマスに公開されたミニエピソード、Many Happy Returnsに纏わる記事


★ミニエピソード、"Many Happy Returns"の公式映像はこちら。(youtube)
Sherlock Mini-Episode:Many Happy Returns-Sherlock Series 3 Prequel-BBC One


★ジョン・ワトソンのブログ記事の原文はこちら。
Many Happy Returns from The blog of Dr.John H. Watson



5th October : [Many Happy Returns] 日本語訳

From The blog of Dr.John H. Watson

Many Happy Returns
『今日の良き日が君に巡りますように』(=誕生日おめでとう)

そうだ、この前グレッグが来てくれたんだ。
シャーロック関連の荷物一式を持参してね。
別に大したものじゃない。
彼の人物像に迫るものが入ってた訳じゃないよ。
物理的なモノなんかじゃ彼を暴くことは出来ない。
私物や写真、家具に本・・・
これらは僕ら自身の代替にはなり得ない。
何年もかけて集まり溜まった、ただの"モノ"だ。
特別な意味など持たない。

荷物にはDVDが入ってた。

僕のバースデイディナーの時に撮ったシャーロックのメッセージビデオだ。
その日、僕は友人たちとソーホーのレストランへ出かけた。
いいディナーだったよ。
みんな来てくれた。
マイクにハリー、グレッグにハドソン夫人。
いつもの顔ぶれさ。
シャーロックを除いてね。
彼は忙しいからと言って来なかったけど、それは言い訳だ。
彼はその…あまり場に合わせるタイプじゃなかったから。
力を抜いて人と付き合えなくて、すぐに誰かと諍いを起こす。
だけどビデオでは彼の別の一面が垣間見えた。
確かに彼は無礼で傲慢だったよ。
彼には他者との"共感"というものが欠けているようだ。
けれど僕はちょっと忘れてた。
彼がいかに面白く、人を惹きつける奴で
どんなに…人間らしい男だったかって。
この印象に首をかしげる人は多いだろう。
心をなくした冷酷な男だと思われていたから。
でもそれは違う。
彼は良き人間の本質を誰よりも備えていた。
保身のためにウソを並べることなく、考えを率直に口にしてただけだ。
もしかしたら世の中の方がもっと彼のようにあるべきなのでは?
誰もが彼のように、より正直であるべきなのでは?
とはいえ、彼があのバースデイディナーに来なくて
良かったかもしれないけど・・・。

じゃあ、今度は僕が正直になる番だ。
楽しかった頃の記憶を忘れないようにと、
僕はこのブログを続けさせられてきた。
精神衛生上のためっていうけどそれに何の意味がある?
いい加減前に進まなきゃ。
もう過去に縛られるのはやめよう。

シャーロックのことをペテン師だと突っかかってくるコメントを
消すのにはウンザリなんだ。
誰が何と言おうと僕にとって彼は真実なんだから。
僕以外にもちゃんと分かってくれてる人が大勢いる。
みんなシャーロックを信じてた。
それと僕はある人と出会ってその人との今の生活を大事にしたいと思ってる。

だからこれが最後の投稿。

シャーロック、ひどい奴め。
君がどこにいようと同じ言葉をかけてやる。
じゃあな。


ジョン