2014年1月19日

【和訳】The Bloody Guardsman / The blog of Dr.John H. Watson

英BBCドラマ『SHERLOCK』より、ジョンのブログ訳。
S3E2の『The Sign of Three』で起きた事件に関わる内容です。


★ジョン・ワトソンのブログ記事の原文はこちら。
The Bloody Guardsman from The blog of Dr.John H. Watson



29th June : [The Bloody Guardsman] 日本語訳
From The blog of Dr.John H. Watson

The Bloody Guardsman
『血塗れの近衛兵』

「解決してからにしろ」って
この件をブログに書くことにシャーロックは反対したけど、
この機会を逃す手はないと思ってね・・・
まあ、聞いてよ!

我が女王陛下付の近衛兵の一人から寄せられた一通のメールから事件は始まった。
彼からのメールを引用したほうが話が早いだろう。

『親愛なるホームズ様。
私はベーンブリッジと申しまして、女王陛下付の近衛兵として務めております。
便りを出したのは個人的なトラブルが理由です。
上官に報告するのも気が引けるような問題でして、
些末事に聞こえるでしょうが、付きまとう誰かの気配を感じるのです。
観光客の相手には慣れています。
それも仕事の一環ですから。
しかし、彼は様子が違うのです。
毎日私を監視し、写真を撮り続けています。
この件を大佐殿の耳には入れたくないのですが、
男の存在が私をひどく不安にさせます。
あなたの助けが必要です。
こういうことは警察は取り合ってくれないでしょうから。』

最初シャーロックはそれほど興味を持っていなかった。
制服を着た男が好きな人間の仕業か何かだろうって。
だけど僕には気になっていることがあった。
特定の一人の近衛兵に拘るのはなぜか、
そしてどうして警察が取り合わないと思ってるのか。
正直に打ち明けると、僕らには息抜きが必要だったんだ。
結婚式の準備からね。
こうして二人でウェリントン兵舎へ向かうことになった。

僕らはその近衛兵が交代になるまで待つ必要があった。
そう、待つはずだったんだけどね。
シャーロックはすごくせっかちな男だから、
毛皮の帽子をくすねて近衛兵に扮した状態で兵舎内に侵入してたよ。

だけど時すでに遅し。
僕らにメールを寄越した男は死んでいた。
シャワー室の中で血に塗れて。
ドアには内側から鍵が掛かっていて、シャーロックが指摘した通り、
明らかにシャワー室に入る前までは刺されていなかった。
完全な密室で起きたミステリー。
シャーロックが惹かれる類の事件だ。

それでも僕には死んだ男の状態の方が気に掛かった。 
そしてどうにか検視の許可を取り、診てみると彼はまだ息があった!
僕らは数々の事件であまりに死体を見慣れ過ぎてるんだろうな。
だからシャーロックは横たわる体を見て、当然死んでるものだと思ってた。
僕はなんとか止血をして彼を病院へと送った。

それでも依然、謎は残ったままだ。 
誰が彼を殺そうとしたのか。
そして、これはシャーロックがより興味を持ってることだけど、
凶器はどこに行ったかってこと。
どう考えても不可能なんだ。
シャワー室に出入りできた人間は誰もいなかった。
そして近衛兵が自分で刺したわけでもない。
それなら凶器はシャワー室に残っているはずだからね。

不可能犯罪。
シャーロックには打ってつけだ。

だけどね。

彼、解明できなかったんだ!

シャーロック・ホームズが事件を迷宮入りさせるとはね!

もっと悔しそうに臍を曲げると思ってたのに現実はこうさ。
シャーロックは特に気にした様子もなく、
僕は独身パーティー(stag do*)の準備に逆戻り。
本気でやらないとな・・・。

<注釈>
*stag do (party):結婚式前日に新郎が同性の友人と過ごすパーティーのこと。
アメリカ英語だとbachelor party。

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7 comments

感謝するよ、ジョン。
Sherlock Holmes 29 June

今のは嫌味だぞ。
わざわざ言っておかないと君には通じないことが多々あるからな。
Sherlock Holmes 29 June

相棒!! 何てことだ!!
シャーロックが謎を前に敗北とは!
Mike Stamford 3 September

制服着た男が嫌いな人なんていないでしょ。
Donna Staveley 29 June

ウケる!
Dame Latif 29 June

シャーロックが事件を解決できなかったなんて絶対に信じない。
theimprobableone 29 June

いつもの彼に戻った :)
John Watson 29 June